サイディングの貼り方には2種類ある?

私たち塗装職人は、ただ塗料を塗るだけではなく、実は既存の外壁材によって使う塗料、工法を変えています。
それは何故かをご説明していきたいと思います。


1 サイディング通気工法


2 サイディング直貼り工法


3 2つの違いを見分ける方法

1 サイディング通気工法

サイディング通気工法というのは 上記左図のように、柱の外側に透湿防水シートを貼った上に通気胴縁【つうきどうぶち】と言われる木材で隙間を作った上でサイディングを貼る工法です。


湿気が抜けやすい為、お家の構造物が劣化しにくくなります。


2000年頃から、標準工法として取り入れられることが増えました。
水分が逃げやすくなる為、構造(中の大事な柱など)が劣化しにくくなり空気の層ができるため断熱効果が高まる、というメリットがあります。


通気工法のサイディングに関しては塗膜を作ってコーティングする塗料《艶あり》でも透湿性のある塗料《艶消し》でも塗装可能なので選べる塗料の幅も増えます。

2 サイディング直貼り工法

サイディング直貼り工法とは、上記右図のように通気胴縁を入れずに透湿防水シートの上に直接サイディングを貼っていくという工法です。


通気工法が採用される前はこちらが主流でした。
通気胴縁を入れない分コスト削減になりますし、工程時間の短縮にも繋がります。


しかし、直貼りの場合空気の流れがない為、湿気や水分が抜けず構造物の木材などを傷めやすいです。


塗料に関しても透湿性のある塗料《艶消し》を塗らなければなりません。
塗膜を作ってコーティングするような塗料を塗ってしまうと熱膨れといって水膨れのような状態になり全剥離をして再塗装をしなければいけなくなります。

3 2つの違いを見分ける方法

写真のように物差しなどを挿して奥行きを測ります。


一般的なサイディングボードの厚みが2cm前後程度なので、2cm以下程度しか奥行きが無い場合は直貼りの可能性が高いので材料選定も変わってきます。