屋根の素材や劣化について

このページでは、普段なかなか見る事のできない屋根の種類、劣化、塗装時期、判断などをご紹介していきます。


まず、屋根材の種類についてご紹介します。
屋根の素材としては


1 ガルバリウム鋼板


2 トタン


3 化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)


4 厚形スレート瓦(プレスセメント瓦)


5 コンクリート瓦(モニエル瓦)


6 日本瓦


他にもいくつかありますが、この6つが代表的な素材となっていてます。
多くの戸建てに使われているのが、化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)が一番多いかと思います。


昔からある屋根には日本瓦が多く使われています。
欧州風な建物には、コンクリート瓦(モニエル瓦)が多く使われ、最近では、金属屋根も人気で、1番のガルバリウム鋼板の屋根も見かける機会が増えました。
まずは、それぞれの屋根材の特徴をご紹介します。


1 ガルバリウム鋼板屋根

こちらは、外壁材、屋根材などの大手メーカー「ケイミュー」さんの商品の一部ですが、ガルバリウム鋼板というは、軽量で建物の負担が少ないことから耐震性と耐久性が高いことと、カラーバリエーションが豊富で、様々なデザインがあり意匠性に優れている点があります。


一般的なタイプなら値段が安いのも特徴です。
後ほど、ご紹介するスレート屋根の上からカバー工法で貼ることも可能です。
画像の商品は更に高性能の商品になっています。


耐久年数も、15〜20年の保証付と耐久性、メンテナンス性も非常に高いのが特徴です。


2 トタン

代表的なのは波トタンと呼ばれるものですが、こちらは、誰でも一度は見たことがあるのではないかと思います。


昔の平屋や工場や倉庫などに、よく見かけますね。


最近では、新築では使われなくなりましたが、既に使用されているものに関して、しっかりメンテナスしてあげることによって、充分耐久性などを保つことができます。
トタン屋根は、素材が安く、施工が短いなどがあります。

3 化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)

化粧スレートは、住宅の屋根で一番多く使われている屋根材です。化粧スレートという呼び名よりも、カラーベストやコロニアルの方が聞いたことがあるかもしれませんが、カラーベストやコロニアルとは商品名で、各メーカーから様々な商品が出ており、料金も比較的良心的です。


化粧スレートは、セメントに繊維を混ぜて固めたもので、日本瓦に比べて軽量で耐震性が高く、安価で施工しやすいといった特徴があります。また、カラーバリエーションが豊富です。


2000年以前のスレート瓦では、アスベストが含まれています。アスベストは、飛散しないければ人体に影響はありません。但し、ボロボロになってしまうと危険です。2006年年以降に作られたものには、アスベストは使われていません。


ノンアスベストになってから、最初に大手メーカー『ニチハ』さんが発売した(現在は販売しておりません)
『パミール』という商品は、1996年から2008年にニチハより製造された屋根材です。


施工後10年前後で不具合が見つかることの多い屋根で、テレビでも報道がなされました。
現在は販売されていません。
パミールに関しては塗装できませんのでご注意ください。
葺き替えをオススメします。


なぜ塗装できなかというと、パミールは屋根材自体がミルフィーユ状になって、剥がれてきたりするので塗装でどうにかならないレベルだからです。
ちなみに、どのような状態になるかを写真で見ると、このような感じです。

このようなことが起きていると塗装はできません。
ご自宅の屋根の素材がわからない場合などは、お気軽にご相談ください。
無料でお伺いし、調査いたします。

4 厚形スレート瓦(プレスセメント瓦)

厚形スレートは、セメント34%と硬質細骨材66%と水で混練しモルタルの瓦です。

特徴は、熱に強く、膨張縮小の影響を受けにくく、施工もしやすく表面を塗料で着色するのでカラーバリエーションも豊富です。形状により和形、平形、S形等の種類があります。
化粧スレートに比べて、厚みが厚いので、厚形スレートという名称になったそうです。

5 コンクリート瓦(モニエル瓦)

コンクリート瓦は、厚形スレートと同じ原料ですが、セメント量が少なく、押し出し成形方式で形を作るので、立体感のある洋風住宅向きの屋根材です。


日本瓦と比べると価格は安く、厚さと重量は同じくらいあります。そのため、耐火性に優れ、塗料で着色するのでカラーバリエーションが豊富です。

6 日本瓦

粘土瓦とは、岩石が風化してできた粘性のある土を瓦の形にして乾燥させ、1,000~1,250℃の高温で焼き上げて作る屋根材です。


屋根材の中でも最も耐久性があり、100年以上持つとも言われています。


また、塗装は必要ありません。
ただし、点検は必要です。

以上が、各屋根の種類についてのご紹介でした。
次に各屋根の劣化、塗装時期、判断についてご紹介いたします。

1 ガルバリウム鋼板屋根

まず始めに、最も高品質のガルバリウム鋼板屋根の劣化、塗装時期、判断についてお話しさせて頂きます。


一見、メンテナンスフリーに見えて『25年は大丈夫!』と言われるガルバリウム鋼板屋根ですが、15〜20年の保証が付いていても、気候や条件などにより差がありますので、15年程度を目処に点検しつつ、必要があれば塗装などのメンテナンスが必要です。


では、どんな状態になってきたら塗装時期で判断すればいいのかをご紹介します。


ガルバリウム自体はとても丈夫なのですが、屋根材の下には防水層や下地材があります。
これらにも寿命があります。


いくら屋根材が長持ちしても、先に下地材などが傷んでくる可能性がありますので、10年程度を目安に一度、下地材などの点検を行った方が良いでしょう。


また、劣化具合としては

・経年劣化によって起こる剥がれ、損傷などの他に、細部からの水の侵入などによる錆の有無

・風で飛んできたりした金属片などが屋根の上に長期間いたことによって起こる『もらい錆』

・表面のコーティングが劣化して色褪せしている


などが挙げられます。

サビによる劣化

ガルバリウム鋼板は表面の塗装とアルミ亜鉛メッキ皮膜によって、鋼板を守っています。


しかし、その皮膜に傷がつき内部の鋼板がむき出しになってしまうことで赤サビが発生します。
赤サビが発生した場合、劣化箇所を塗装をする必要があります。


また、小さな錆も放っておくと、どんどん広がっていくので注意してください。


あとは、目に見えて分かるほど屋根の色褪せなどを確認できるようになってきたら、塗装などのメンテナンスなどが必要になってきます。

2 トタン屋根

よく言われているのが、15〜20年は大丈夫と言われています。

ですが、こちらは耐久性などから見ても、私個人としては耐久性に優れているとは言い難いところがあります。


早ければ10年前後であちこちで錆が出てきますので、7〜8年程度から点検などをしてメンテナンスしていくことをオススメします。


錆が出てき始めてから、早い段階での再塗装の方が、よりトタン屋根を保護できます。


錆を放ってくと雨漏りの原因にも繋がり、更に大きな工事になり兼ねないので、放置はよろしくないです。

3 化粧スレート(カラーベスト・コロニアル)

こちらの屋根は現在、一番多いのではないでしょうか。


スレート屋根の劣化及び塗装時期、判断として説明するならば
一番わかりやすいのが、コケなどの汚れが目立っていたり、屋根の繋ぎ目などを守っている棟押さえと言われる板金部分が錆びていたりするのは劣化及び塗装時期のサインです。


スレート屋根の寿命は、約10~20年と言われています。


ですが、ご自宅周りの環境(気候条件、交通量、湿度が高い低いなど)やメンテナンスの有無によって劣化の進行具合が変わり、一概に、20年間大丈夫というわけではありません。


どのメーカーも、基本的には10年ごとの定期メンテナンスを推奨しています。
ただし10年という年数はあくまで目安であり、ベストなタイミングは屋根に限らず外壁もそうですが、劣化が軽いうちに、早めにメンテナンスを行なうことが一番良いです。


劣化を放置しておくと、最悪の場合、室内の雨漏りにまで繋がってしまいます。
雨漏りの補修や修繕には、大掛かりな工事が必要になり、費用も高くつきます。


そうなってしまう前に屋根をメンテナンスすることで、費用を抑えつつもスレート屋根の寿命をのばすことができるのです。
7〜8年程度を目安に点検などを行ってあげると良いでしょう。

陽の当たりにくい北側などは、夜露や雨の水分が蒸発しにくく、湿気がこもりやすかったりすることなどでコケが生えやすかったり劣化しやすいです。


コケなどが生えたりすると、そこに水分や砂埃などの汚れが溜まりやすくなり、屋根材自体を腐敗させやすくなります。


小さいように見えるコケですが、食い付き具合は強いものでただ擦るだけではとても落ちません。


塗装工事の前に高圧洗浄といって、専用の機械を使って非常に強い力でこのコケや汚れを落としますが、時にはコケが取れると同時に、屋根材の表面の一部が、一緒に取れるくらい強い力で繁殖しているコケもあります。


これらを放置していると、屋根材の劣化スピードは上がりますし、塗装だけでは保護しきれず、葺き替えになってしまう可能性も上がってしまいますのでただの汚れと思って放置することはやめましょう。

こういった板金部分も錆び錆びになる前に塗り替えてあげたほうが長持ちします。


4 厚形スレート瓦(プレスセメント瓦)

セメント瓦の耐用年数としては約20〜30年と言われていますが、こちらも環境条件によっては、10年程度を目安にメンテナンスした方がいいと言われています。


こちらの屋根の劣化、塗装時期などの判断としては、チョーキング、色あせ、変色、カビやコケが発生します。


チョーキングというのは、よくガードレールなんかを手で触ると、手に白いのが付くような現象を『チョーキング現象』と呼びます。チョーキング現象は外壁部でも見受けられますが、外壁に関してのお話は外壁についてのページでご紹介致します。

新品だとこのように綺麗ですが経年劣化でコケや色褪せてくると下の写真のようになります。

このような状態は、メンテナンス時期なのでしっかり高圧洗浄して塗装してあげると良いでしょう。

5 コンクリート瓦(モニエル瓦)

こちらの屋根の耐用年数としては、モニエル瓦そのものの耐用年数は約20年と言われていますが、塗装については約10年が目安と言われています。


モニエル瓦は耐久性の高い屋根材ではありますが、製造時に表面が塗装されているため、この塗装が劣化した時がメンテナンスのタイミングとなります。


塗装の劣化については、表面に粉が吹いたようになるチョーキング、色合いの劣化、塗膜の膨れや剥離等が起こっている場合が劣化の目安です。


また、雨漏りが発生している場合や、ヒビや割れ、ズレ等が起きている場合については、下地材の状態や屋根裏の状態の確認も必須となります。

このような状態は、早急に塗り替えをオススメします。

6 日本瓦

日本瓦は高い耐久性があり、塗装は不要と書きましたが


1 日本瓦のメンテナンス目安は、
  瓦の材料自体として、50〜60年以上で点検。
  瓦自体は劣化しないので、外部的な要因(踏み割れ・落下物)がなければ問題ないと言われています。


2 屋根部材の中で、雨漏りに関係する部材のメンテナンス目安としては
 ・ルーフィング(防水紙)は30年で点検。
 ・土葺きの場合は、30年で点検・交換。
 ・木材・桟木は30年で点検。


となっていますが、これらは瓦をはがしての点検となります。
専門の知識・技術が必要となるので当社では専門の瓦職人さんにお願いしています。

以上が、屋根の劣化やメンテナンス面においてのご紹介となりますが、屋根のデザインや形状などは、沢山ありますのでご自宅が、なんの屋根なのか分からない場合だったり、ご不明点、疑問点などあれば無料でお伺い致しますので、是非お気軽にご連絡ください!