ALC(軽量気泡コンクリート)

6 ALC(軽量気泡コンクリート)

ALCとは、軽量気泡コンクリートのことです。

通常のコンクリートの耐久性は強いが重いという欠点を克服して、重さの約4分の1にした軽いコンクリートです。

正式名称は、Autoclaved(オートクレーブ養生) Light weight(軽量気泡) Concrete(コンクリート)です。

原材料は、珪石、セメント、生石灰なのでシックハウス症候群の原因となる有害な化学物質やアスベストを含んでいないため人体に無害で、リサイクルが可能な環境に考慮した建築資材です。

現在では、デザインも増えてタイル調などのデザインもあります。

不燃材で断熱性に優れており熱伝導率はコンクリートの約1/10と言われています。

戸建住宅の外壁には、厚み50mmのALC板が使われます。

ALCの劣化具合や耐用年数について

ALCの耐用年数は、60年と言われています。

塗装時期を判断する劣化具合として

ALCの高い断熱性と軽さの元になっている無数の気泡、実はこれが重要なポイントです。

こういった多孔質のため、極めて水が染み込みやすいのです。

ALCが含水するとそれだけで強度が低下すると言われており(問題のないレベルですが)、そうしたデータを発表しているメーカーもあります。

含水による強度低下は乾燥すれば元に戻るので、それほど深刻なことではありません。

問題は内部に補強のために使われている鉄筋やラス網(金網)です。

防錆加工はされているものの、何度も雨水に晒されていればその効果も落ちてきます。

鉄が錆びれば体積は膨張しますから、内部から軽量気泡コンクリートが押し出されることになり、剥落や欠損が生じるのです。

含水によって壁の強度が低下していれば、より剥落や欠損しやすくなるでしょう。

まとめると

・ヒビ割れが起きていないか

・錆が出ていないか

・剥落や欠損、膨れなどがないか

ALCは、10〜15年周期での塗り替えをオススメします。